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外交官らがトランプ氏に「反旗」深まるウクライナ疑惑

古本陽荘・毎日新聞北米総局長
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ドナルド・トランプ米大統領=南部ミシシッピ州トゥーペロで2019年11月1日、古本陽荘撮影
ドナルド・トランプ米大統領=南部ミシシッピ州トゥーペロで2019年11月1日、古本陽荘撮影

 トランプ米大統領がウクライナへの軍事支援を凍結し、政敵のバイデン前副大統領と次男のスキャンダルの捜査を求めたとされる「ウクライナ疑惑」が予想外の展開を見せている。

 野党・民主党が主導する下院委員会の弾劾訴追の審査について、トランプ氏は共和党の意向を無視した「憲法違反」と訴え、行政府は一切協力しないと宣言した。ところが、下院の証言要請に対し、現・元職外交官らが大統領指示を無視し、克明に証言を始めたのだ。

 焦点となったのは7月25日のトランプ氏とウクライナのゼレンスキー大統領の電話だった。トランプ氏は「16年大統領選でウクライナの前政権と米民主党が結託していたのではないか」といううわさ話の調査を要求。さらに、ウクライナの天然ガス会社の役員としてバイデン氏の次男が高額の報酬を受け取り、バイデン氏が「息子への捜査を妨害するため」当時の検察幹部を解任しようと圧力をかけたか捜査してほしいと要求した。

 一方、ロシアからの脅威にさらされるゼレンスキー氏は、トランプ氏との会談を求め、安全保障協力を推進することも望んでいた。トランプ氏は、軍事支援を取引材料に使ったことを否定するが、関係者はそうは見ていなかった。

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古本陽荘

毎日新聞北米総局長

1969年生まれ。上智大文学部英文科卒、米カンザス大大学院政治学修士課程修了。97年毎日新聞入社。横浜支局、政治部、外信部を経て2018年12月から北米総局長(ワシントン)。