MRJが世界を飛ぶ日

スペースジェット「100機キャンセル」起死回生の道は

平野純一・経済プレミア編集部
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パリ航空ショーに出されたスペースジェット=三菱航空機提供
パリ航空ショーに出されたスペースジェット=三菱航空機提供

 三菱航空機が開発している国産初のジェット旅客機「スペースジェット」(旧MRJ)で、また受注契約のキャンセルが出た。米国の地域航空会社トランス・ステーツ・ホールディングス(TSH)が、10月31日、100機の契約を取り消した。受注契約は407機から307機に減り、三菱航空機は一層厳しい状況に追い込まれている。

 トランス・ステーツ・ホールディングスは、ANAホールディングスに次いで2番目に受注を得た会社だった。三菱航空機にとっては初めての外国企業からの受注で、2010年の契約以降、機体完成を待ち続けていてくれた顧客なだけにショックは隠せない。

 キャンセルの理由は、現在開発中の「M90」型(標準仕様で88席)が米国内の規制に引っ掛かり、購入したとしても運航できる見通しが立たないためだ。米国には、航空会社とパイロット組合間で結ばれている「スコープ・クローズ」と呼ばれる協定があり、ローカル路線に使う飛行機は、おおむね座席数76席以下、最大離陸重量39トン以下と定めている。

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平野純一

経済プレミア編集部

1962年生まれ。87年毎日新聞社入社。盛岡支局、サンデー毎日編集部、経済部、エコノミスト編集部などを経て2016年から現職。金融、為替、証券、マクロ経済などを中心に取材。