海外特派員リポート

中国でギョーザ作れない?豚コレラで「豚肉価格2倍」

赤間清広・毎日新聞経済部記者
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中国の養豚場。アフリカ豚コレラの猛威におびえる=中国河北省三河市で2018年11月12日、河津啓介撮影
中国の養豚場。アフリカ豚コレラの猛威におびえる=中国河北省三河市で2018年11月12日、河津啓介撮影

 今年の干支(えと)「亥」にちなむ動物は日本では「イノシシ」だが、中国では「豚」。中国で豚は幸運と富を象徴する縁起物だ。習近平国家主席は今年の春節(旧正月)のスピーチで「中国の伝統で豚は六畜(豚、牛、馬、羊、鶏、犬)の筆頭だ。豚年は天候に恵まれ、豊作となり、畜産を盛んにする」と期待をかけた。しかし、皮肉にもその豚が今、中国経済を大きく揺さぶっている。一体、何が起きているのか。

 中国人にとって豚は特別な存在だ。中国で「肉」といえば豚肉を指す。世界の豚肉消費量の約半分を中国が占めており、豚肉価格の動向が国全体の物価動向を大きく左右するほどだ。

飼育数は4割減に

 中国で最初に異変が起きたのは昨年8月だった。中国北東部の遼寧省瀋陽市の養豚農家で突然、数十頭の豚がばたばたと倒れ、死んでいった。

 検査の結果、死因は家畜伝染病「アフリカ豚コレラ」(ASF)と判明した。日本でも発生した「豚コレラ」と違い、ASFはワクチンが存在せず有効な治療法もない。感染力が強く、流行国では養豚業に深刻な被…

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赤間清広

毎日新聞経済部記者

 1974年、仙台市生まれ。宮城県の地元紙記者を経て2004年に毎日新聞社に入社。気仙沼通信部、仙台支局を経て06年から東京本社経済部。霞が関や日銀、民間企業などを担当し、16年4月から中国総局(北京)。20年秋に帰国後は財務省を担当しながら、面白い経済ニュースを発掘中。