経済記者「一線リポート」

「企業の外資規制強化」で浮上する新たなリスクとは

清水憲司・毎日新聞経済部記者(前ワシントン特派員)
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衆院予算委員会に臨む(右から)安倍晋三首相、麻生太郎財務相ら。外為法改正案は今国会の焦点の一つだ=国会内で11月6日、川田雅浩撮影
衆院予算委員会に臨む(右から)安倍晋三首相、麻生太郎財務相ら。外為法改正案は今国会の焦点の一つだ=国会内で11月6日、川田雅浩撮影

 今国会で審議中の外国為替及び外国貿易法(外為法)改正案が、波紋を広げている。安全保障関連企業への外資規制を強化し、技術流出を防ぐのが目的だが、外国人投資家から「日本株に投資しにくくなる」との指摘が殺到している。

 そこで財務省は上場企業約3600社について、対象企業を個別にリストアップする方針を打ち出したが、今度はリスト掲載企業がサイバー攻撃の対象にならないかという懸念が浮上している。

 改正案は、航空機や原子力、武器製造、サイバーセキュリティーなど安全保障に関わる「指定業種」の上場企業について、外国人投資家が1%以上の株式を取得する場合、政府への事前届け出を求めるのが柱。現在は10%以上が基準だが、安全保障や先端技術を巡る米中の覇権争いを背景に、米欧各国が規制強化を進めており、日本も歩調を合わせて規制を強めるのが狙いだ。

 しかし、海外からの投資促進は政府の成長戦略の一つだ。政府は安全保障と自由な経済取引の両立を図るため、一定の条件を満たす外国人投資家には事前届け出を免除する制度を…

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清水憲司

毎日新聞経済部記者(前ワシントン特派員)

 1975年、宮城県生まれ。高校時代まで長野県で過ごし、東京大学文学部を卒業後、99年毎日新聞社に入社。前橋支局を経て、東京経済部で流通・商社、金融庁、財務省、日銀、エネルギー・東京電力などを担当した。2014~18年には北米総局(ワシントン)で、米国経済や企業動向のほか、通商問題などオバマ、トランプ両政権の経済政策を取材した。