高齢化時代の相続税対策

バブル期の相続対策が裏目「80歳女性」苦節の30年

広田龍介・税理士
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 A子さん(80)は賃貸マンションを経営している。バブル真っ盛りのころ、銀行から「相続対策になる」と提案され、まだ元気だった夫と2人でその気になった。多額の融資を受け、1990年にマンションが完成した。

賃料水準は当初の半分に

 当時示された収支計算書では、賃貸契約が2年で更新するごとに賃料は5%上昇していく計画だった。収益は順調に伸び、借入金の返済も問題なし――。すべてバラ色のはずだった。

 「所得税の節税対策になる」と勧められるままに不動産管理会社も設立した。会社に管理業務を委託すれば「…

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広田龍介

税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。