藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

ウズベキスタン 世界で二つだけの「二重内陸国」

藻谷浩介・地域エコノミスト
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タシケントのチョルスー市場の一角、ドーム状の建物の中はすべて羊肉の売り場(写真は筆者撮影)
タシケントのチョルスー市場の一角、ドーム状の建物の中はすべて羊肉の売り場(写真は筆者撮影)

 筆者のスマホでグーグルマップを開くと、初期画面で今もウズベキスタンの首都タシケントの地図が出てくる。思えば筆者が初めてスマホでこの機能を使ったのが、2017年6月に訪れたこの町だった。その当時は現在よりもずっと旅行しにくかったこの国を、「ちょっと歯が立たない」と感じつつさまよい歩いた、懐かしくほろ苦い思い出。

 ウズベキスタンは、旧ソ連を構成した15の共和国の一つで、カザフスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、キルギスとともに、中央アジアに分類される。その首都タシケントは、人口230万人を擁する、現代中央アジア最大の都会だ。日本からはウズベキスタン航空が週1回、成田から真西に9時間半で飛んでいるが、ソウルの仁川空港乗り換えであれば週に10便と、本数が格段に違う。筆者は後者のうち週3便の、アシアナ航空を利用した。

 中央アジアとはどこにあるのか、日本人の多くにはわかりにくいだろう。古くはアレクサンダー大王が到達し、シルクロードの最大拠点となり、チンギス・ハンが侵略し、ティムール帝国が栄えた場所だが、19世紀にロシアに征服され20世紀に旧ソ連に組み込まれたことで、最近までたいへん行きにくい場所だった。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。