戦国武将の危機管理

「代官が不正!」百姓に“内部告発”を促した北条氏康

小和田哲男・静岡大学名誉教授
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北條五代祭り=小田原城址公園で2018年5月3日、澤晴夫撮影
北條五代祭り=小田原城址公園で2018年5月3日、澤晴夫撮影

 北条氏康は戦国大名・後北条氏の3代目である。氏康の行った税制改革は危機管理の具体例として挙げられるが、加えて「組織内部の引き締め」といった側面も注目される。

 戦国大名の領国は、大きく、家臣に分け与えられている知行地と、大名自身の直轄地、すなわち蔵入地(くらいりち、御料所ともいう)に分かれる。そして、直轄地には代官が置かれ、年貢収納事務などに従事していた。

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小和田哲男

静岡大学名誉教授

戦国大名・今川氏のお膝元で、徳川家康の隠居先でもあった静岡市で1944年に生まれる。72年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。専門は日本中世史。戦国時代史研究の第一人者として知られ、歴史番組でおなじみの顔。趣味は「城めぐり」で、公益財団法人「日本城郭協会」の理事長も務める。主な著書に「戦国の群像」(2009年、学研新書)、「黒田官兵衛 智謀の戦国軍師」(13年、平凡社新書)。公式サイト https://office-owada.com