
狙った遺伝子を自在に改変できるゲノム編集食品が近く登場しそうだが、はたして消費者に受け入れられて流通するのだろうか。組み換え食品やゲノム編集食品に対する消費者の意識調査から考えてみた。
ハワイのパパイア「8割が遺伝子組み換え」
ハワイの代表的な果物といえば、パパイア。ハワイでは1998年から、ウイルスの病気に強い遺伝子組み換えパパイアが流通し、いまでは約8割が組み換えになっている。当然ながら、ハワイに行く日本の観光客の大半は組み換えパパイアを口にしているはずだ。
日本でも、安全性の審査が終わった2011年、ハワイからの輸入・販売が許可されたが、いまだ店頭では見かけない。許可当時、輸入・販売事業者に聞くと、「消費者の抵抗感が強い」「市民の反対運動が店の前で行われたら商売はできない」という声が強かったのを思い出す。
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小島正美
「食生活ジャーナリストの会」代表
1951年愛知県犬山市生まれ。愛知県立大学卒業後、毎日新聞社入社。松本支局などを経て、東京本社・生活報道部で主に食の安全、健康・医療問題を担当。「食」をテーマとして活動するジャーナリスト集団「食生活ジャーナリストの会」代表。著書多数。