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「成績トップでも集中力欠如」30代営業マンへの対応

舟木彩乃・産業心理コンサルタント・カウンセラー
 
 

 今回は、仕事に「ムラ」がある社員の椎名さん(仮名、男性30代後半)の事例についてお話しします。

 椎名さんは大手資格スクールに勤め、法人営業部に所属しています。部員は15人程度で、企業向けに研修立案や講義を紹介する部署です。

伝票作成ができない

 椎名さんは研修の企画力に優れ、性格も外交的で明るく、顧客ともすぐに打ち解けられるタイプです。法人営業部では何度もトップの成績を取ったことがあります。しかし、事務作業や会議が苦手です。

 営業部の外回りの部員は月末に経費伝票を作成し、それを事務職員に渡すことになっています。椎名さんは経費伝票を作成するたびに、必ずといってよいほど記入漏れや押印忘れがあります。時には作成すること自体を忘れることもありました。

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産業心理コンサルタント・カウンセラー

 筑波大学大学院博士課程修了(ヒューマン・ケア科学博士)。一般企業の人事部などを経て、現在メンタルシンクタンク(筑波大学発ベンチャー企業)副社長。金融庁職員のメンタルヘルス対策にも従事する。国家資格として公認心理師、精神保健福祉士、第1種衛生管理者、キャリアコンサルタントなど保有。著書に「『首尾一貫感覚』で心を強くする」(小学館新書)。