熊野英生の「けいざい新発見」

米中対立に決定的影響「香港」は世界経済の最大リスク

熊野英生・第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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5本の指を広げて「5大要求は一つも欠けてはならない」と叫ぶ市民ら=香港・尖沙咀で2019年12月1日、福岡静哉撮影
5本の指を広げて「5大要求は一つも欠けてはならない」と叫ぶ市民ら=香港・尖沙咀で2019年12月1日、福岡静哉撮影

 香港問題はいま、世界情勢の最大リスクかもしれない。仮に、中国の武装警察が香港に突入すれば、米中関係は最悪の状態になる。経済は回復の芽が潰れて大不況になる可能性がある。

 トランプ米大統領は本心では、2020年の大統領選を前にして、米中交渉をうまくまとめて手柄にしたいはずだ。中国と対立している限り北朝鮮外交も進展しない。一方、中国としては、台湾の総統選挙を20年1月に控え、蔡英文総統に有利になるようにしたくはないはずだ。香港で刺激的なことが起きれば起きるほど、蔡氏再選に有利に働く。

 日本も、20年春に習近平主席を国賓として招くには、中国が香港に介入しないことが暗黙の条件になってい…

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熊野英生

第一生命経済研究所 首席エコノミスト

1967年山口県生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。90年、日本銀行入行。調査統計局などを経て、2000年、第一生命経済研究所入社。11年4月から現職。専門は金融政策、財政政策、金融市場、経済統計。