藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

タジキスタン「要衝ホジェンド」へ複雑な国境を越える

藻谷浩介・地域エコノミスト
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ホジェンド旧市街の広場。ホジェンドブルーと呼ばれる玉虫色のドームのモスクが建つ(写真は筆者撮影)
ホジェンド旧市街の広場。ホジェンドブルーと呼ばれる玉虫色のドームのモスクが建つ(写真は筆者撮影)

 ウズベキスタンの古都コーカンドの市街で、タジキスタンの要衝ホジェンドへの移動手段を探す筆者。同じフェルガナ盆地の中央西寄りから西端へ、平地を140キロ程度の移動なのだが、間には仲の良くない両国の国境がある。

 旧ソ連諸国や東欧、中南米、アフリカなどでは、都市間移動にはワゴン車を改造したバスか、乗り合いタクシーが使われる。それらの発着所は市街外れに、方面別に何カ所かあるのが通例だ。それら発着所行きの乗り合いバスもあるが、流しのタクシーをつかまえ連れて行ってもらう方が早い。流しのいない国であれば、ホテルなどで呼んでもらう。この町には大きなホテルも見当たらなかったが、唯一の名所である王宮の前には、客待ちのタクシーがいた。

 「タジキスタンのホジェンドに行きたい」と言うと、南西に10分ほど走って、そちら方面への発着所に降ろされた。歩くのは不可能な距離だったが、タクシー料金は1米ドルと格安だった。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外109カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。