食の情報ウソ・ホント

遺伝子組み換え食品「食べさせられている」は本当か?

小島正美・「食生活ジャーナリストの会」代表
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 遺伝子組み換え作物は現在、日本に大量に輸入されている。このため「日本人は知らないうちに遺伝子組み換え食品を食べさせられている」と主張し、危機感をあおるメディアや団体もある。それは本当だろうか。

 遺伝子組み換え作物は1996年に米国で本格的な栽培が始まり、同年、日本も輸入を許可した。遺伝子組み換え作物の代表格である大豆、ナタネ、トウモロコシ、綿(採油用)の4品目をみると、日本は2018年に計2148万トンを輸入しているが、遺伝子組み換え作物の開発企業でつくる「バイテク情報普及会」の推計では、その約9割が遺伝子組み換えであるという。

 それなら、スーパーなどの食品売り場で、組み換え作物を使った食品を見かけてもよさそうだが、「組み換え」という表示は見かけない。

 遺伝子組み換え食品では、安全性審査を経て流通が認められた八つの農産物(大豆、トウモロコシ、ばれいしょ、ナタネ、綿、アルファルファ、てん菜、パパイア)とそれを原材料とした33の加工食品群について、食品表示法により「遺伝子組み換え」または「遺伝子組み換え不分別」と表示することが義務づけられている。また「遺伝子組み換えでない」と任意に表示することもできる。

 ただし、導入された遺伝子や生成されたたんぱく質が、加熱や精製など加工過程で分解され、現在の分析技術で検出できない場合には表示義務はない。

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小島正美

「食生活ジャーナリストの会」代表

 1951年愛知県犬山市生まれ。愛知県立大学卒業後、毎日新聞社入社。松本支局などを経て、東京本社・生活報道部で主に食の安全、健康・医療問題を担当。「食」をテーマとして活動するジャーナリスト集団「食生活ジャーナリストの会」代表。著書多数。