メディア万華鏡

「日韓悪化など関係ない」韓流小説でつながる女性

山田道子・元サンデー毎日編集長
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韓国で10月から公開された映画「82年生まれ、キム・ジヨン」は若い女性たちに人気だ=ソウル市内の映画館前で2019年11月3日、堀山明子撮影
韓国で10月から公開された映画「82年生まれ、キム・ジヨン」は若い女性たちに人気だ=ソウル市内の映画館前で2019年11月3日、堀山明子撮影

 日韓関係の悪化がけん伝されるのと反比例のような現象が起きている。年の瀬の書店で平積みされたり、目立つ場所に置かれたりしている「82年生まれ、キム・ジヨン」。韓国の作家、チョ・ナムジュさんが2016年10月に発表し、100万部を突破した小説。日本語版は18年12月、筑摩書房から斎藤真理子さんの訳で刊行され、今年11月に15万部を突破。その人気は越年の勢いをみせているのだ。

 「キム・ジヨン」は1982年に生まれた韓国の女性に一番多い名前。ソウル郊外で3歳年上の夫と1歳の娘と暮らすジヨンは出産後に退職し、育児に追われる中、精神を病む。診察した男性医師のカルテという形で、ジヨンが誕生、受験、就職、結婚、育児で経験した女性であるがゆえの差別や困難がつづられる。

 ノンフィクションのように書かれた内容は共感を広げ、社会現象にまでなったのだろう。今年10月に韓国で公開した同名映画は…

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山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。

連載:メディア万華鏡

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