辻野晃一郎の「世界と闘え」

ガラパゴス統合!?「ヤフー・LINE連合」のGAFA逆転策は

辻野晃一郎・アレックス株式会社代表取締役社長兼CEO
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経営統合について、記者会見するZホールディングスの川辺健太郎社長(左)とLINEの出沢剛社長=東京都港区で2019年11月18日、吉田航太撮影
経営統合について、記者会見するZホールディングスの川辺健太郎社長(左)とLINEの出沢剛社長=東京都港区で2019年11月18日、吉田航太撮影

 国内IT大手のヤフー(Zホールディングス=HD)とLINEが来年10月までに経営統合すると11月18日に発表した。両社の会見によると、米IT大手4社のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・コム)を強く意識したアクションのようだ。成功の鍵は、両社が、ZHDを傘下に収めるソフトバンクグループ(SBG)の全体戦略の中で新たなグローバルエコシステムを生み出す「実行部隊」として推進力を発揮できるかどうかだ。

 今やGAFAの時価総額は合計で350兆円前後にもなり、独占的に世界を大きく動かす存在だ。GAFA+マイクロソフトの研究開発予算は米国政府の軍事を除く技術開発予算約8兆円を上回る規模になっている。テクノロジードリブン(技術主導型)の時代に、いわば人類の将来に全方位的な研究開発投資を行う技術センターとしての役割を担う存在ともいえる。

 加えて、中国のGAFAともいえるBATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)も米中技術覇権争いの主役的な立場で存在感を増しており、世界の安全保障上の脅威にもなっている。米国によるファーウェイ締め出しの動きは、まさに米国の焦りを物語っていると同時に、世界のサプライチェーン(製品やサービスが生産者から消費者に届くまでのプロセス)に大きな影響を与えている。

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辻野晃一郎

アレックス株式会社代表取締役社長兼CEO

1957年福岡県生まれ。84年、慶応義塾大学大学院工学研究科を修了し、ソニー入社。VAIOなどの事業責任者、カンパニープレジデントを歴任。2007年、グーグルに入社し、その後、グーグル日本法人代表取締役社長に就任。10年4月にグーグルを退社し、アレックス株式会社を創業。著書に「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」(新潮社)、「リーダーになる勇気」(日本実業出版社)、「『出る杭』は伸ばせ! なぜ日本からグーグルは生まれないのか?」(文芸春秋)などがある。