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大統領選にどう影響?トランプ氏「弾劾裁判」の行方は

古本陽荘・毎日新聞北米総局長
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トランプ米大統領=2019年6月18日、高本耕太撮影
トランプ米大統領=2019年6月18日、高本耕太撮影

 トランプ米大統領がウクライナに対して、政敵のバイデン前副大統領の捜査を要求した疑惑に関し、連邦議会下院は「大統領権限の乱用」などとしてトランプ氏を弾劾訴追した。年明けからは上院での弾劾裁判が始まる。弾劾裁判は来年11月の大統領選にどう影響するだろうか。

 米議会では、下院は野党・民主党が多数議席を有し、上院は与党・共和党が多数派だ。弾劾訴追の権限を持つ下院は、出席議員の過半数の賛成でトランプ氏を訴追した。一方、上院での弾劾裁判は、陪審員となる上院議員(定数100)の3分の2が賛成すれば有罪となり、トランプ氏は解職される。上院の共和党議員は53人で、計算上は共和党から20人が造反すれば有罪になる。

 弾劾裁判の影響が最初に及ぶのは、民主党の候補者指名争いだ。州単位で実施される予備選・党員集会は来年2月3日のアイオワ州党員集会から始まり、同月11日のニューハンプシャー州予備選に続く。両州とも小さな州で、レストランなどでの小規模集会を数多く開き、有権者と直接触れ合うことが重要になる。

 上院での弾劾裁判にどの程度の時間を必要とするかは現時点で合意がないが、共和党側に主導権がある。弾劾裁判では、上院議員が陪審員だ。12月4日段階で、サンダース、ウォーレン、クロブチャー、ブッカーの4上院議員が、民主党の候補者指名争いに名乗りを上げている。弾劾裁判が始まれば、4氏の選挙活動はかなり制限される。逆に弾劾裁判に直接関わらないブティジェッジ・サウスベンド市長には有利に働くことになる。

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古本陽荘

毎日新聞北米総局長

1969年生まれ。上智大文学部英文科卒、米カンザス大大学院政治学修士課程修了。97年毎日新聞入社。横浜支局、政治部、外信部を経て2018年12月から北米総局長(ワシントン)。