ニッポン金融ウラの裏

「ガバナンスは議論してきた」日本郵政社長の空まわり

浪川攻・金融ジャーナリスト
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かんぽ生命保険の不正販売問題について記者会見する日本郵政の長門正貢社長(右)。左は日本郵便の横山邦男社長=2019年12月18日、小川昌宏撮影
かんぽ生命保険の不正販売問題について記者会見する日本郵政の長門正貢社長(右)。左は日本郵便の横山邦男社長=2019年12月18日、小川昌宏撮影

 日本郵政グループが迷走を続けている。12月18日、かんぽ生命保険の不正販売を解明するための「特別調査委員会」が記者会見して調査報告書を公表し、その直後に長門正貢・日本郵政社長ら郵政グループ3社長も記者会見を行った。長門氏は会見の冒頭で報告書について「調査委員会の指摘を真摯(しんし)に受け止める」と語った。だが長門氏の認識を深掘りすると、報告書の指摘との「食い違い」が浮き彫りになった。その問題点を指摘する。

 報告書は、不正が起きた背景に「持ち株会社としての日本郵政が果たすべき役割やグループガバナンスのあり方について、全役員のコンセンサスが得られていなかった」と指摘した。日本郵政が傘下のかんぽ生命、日本郵便にどうガバナンス(企業統治)を働かせてきたのか、といった問題である。

 報告書の指摘は抽象的な表現だったため、筆者は調査委員会の記者会見の場で、調査委メンバーにその具体的な意味を尋ねた。すると、「全役員のコンセンサスが得られていなかった」というのは、持ち株会社の役割、グループガバナンスのあり方に関する議論が取締役会で行われていなかったという理解で良いという回答を得た。

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。