マンション・住宅最前線

「タワマン危機に台風」不安が覆った2019年の住宅市場

櫻井幸雄・住宅ジャーナリスト
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 2019年が終わろうとしている。この1年はどんな年だったか。住宅の専門家という立場で考えると、住宅に関する「不安」が多く出た年だったという思いが強い。

 まず「タワマン」という呼び名が広まっている超高層マンションについては「修繕費が足りず、廃虚への道をたどる」「災害に弱く、大地震が起きると、大変なことになる」などの報道が週刊誌やネットニュースで相次いだ。「駅から離れた一戸建ては中古で売れず“負動産”になる」という予測も目立った。

 不安をあおる記事は、注目が集まるため、いつの時代も盛んに出てくるものだ。豊洲新市場が汚染されている、どこかの国からミサイルが飛んでくる、首都圏にまもなく直下型地震が起きる……心配になるので、つい読んでみたくなる。週刊誌は部数が伸び、ネットの記事はアクセスが増えるので、後を絶たないのだろう。

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櫻井幸雄

住宅ジャーナリスト

1954年生まれ。年間200物件以上の物件取材を行い、首都圏だけでなく全国の住宅事情に精通する。現場取材に裏打ちされた正確な市況分析、わかりやすい解説、文章のおもしろさで定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞、日刊ゲンダイで連載コラムを持ち、週刊ダイヤモンドでも定期的に住宅記事を執筆。テレビ出演も多い。近著は「不動産の法則」(ダイヤモンド社)。