
2020年。オリンピックイヤーで盛り上がる日本を尻目に、中国当局の視線は2年後に向いている。中国初の冬季五輪が北京で始まるためだ。街中には早くも冬季五輪をアピールするモニュメントが登場し始めたが、肝心の市民の関心はなかなか高まらないのが実情だ。背景にはウインタースポーツの不人気がある。
「スキーやスケートは用具をそろえたり、レンタルする必要があるうえ、楽しめる場所も限られる。冬のスポーツは『お金がかかる』というイメージしかない」。北京市内の大学生は、にべもない。
冬季五輪のメダル少なく
広大な中国のうち、北京を含む北部は冬の最低気温が氷点下10度を下回ることも多く、池などを凍らせた簡易スケート場があちこちにできる。しかし、どこも親子連れなどが氷の感触を楽しむ程度で、スピードスケートなど競技スポーツはほとんど見かけない。
その不人気ぶりは五輪のメダル数にも如実に表れている。2016年のリオデジャネイロ五輪で中…
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赤間清広
毎日新聞経済部記者
1974年、仙台市生まれ。宮城県の地元紙記者を経て2004年に毎日新聞社に入社。気仙沼通信部、仙台支局を経て06年から東京本社経済部。霞が関や日銀、民間企業などを担当し、16年4月から中国総局(北京)。20年秋に帰国後は財務省を担当しながら、面白い経済ニュースを発掘中。