経済記者「一線リポート」

「アジアの取引はアジアの通貨で」ADB浅川総裁の構想

清水憲司・毎日新聞経済部記者(前ワシントン特派員)
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「アジアの取引はアジアの通貨で」と自らの構想を語る浅川雅嗣氏=東京都千代田区で2019年12月、藤渕志保撮影
「アジアの取引はアジアの通貨で」と自らの構想を語る浅川雅嗣氏=東京都千代田区で2019年12月、藤渕志保撮影

 アジア開発銀行(ADB)総裁に、前財務官の浅川雅嗣氏が2020年1月17日付で就任した。主要20カ国・地域(G20)や為替政策など国際金融の分野で長く日本の事務方トップを務めた浅川氏は、アジア経済の安定的な発展に向け「ドル基軸通貨体制とは少し距離を置いたシステム」の構築を唱えている。

 アジア域内でドル依存を減らし、将来的にアジア共通通貨を実現するため、ADBはアジア通貨単位「ACU」(アキュー)構想を提唱してきたが、実現していない。国際経験豊かな浅川氏の就任で、アジア共通通貨をめぐる議論が中国を巻き込み、再び脚光を浴びるか注目される。

 浅川氏は1981年に旧大蔵省(現財務省)入省。主に国際畑を歩み、財務省国際部門の事務方トップであ…

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清水憲司

毎日新聞経済部記者(前ワシントン特派員)

 1975年、宮城県生まれ。高校時代まで長野県で過ごし、東京大学文学部を卒業後、99年毎日新聞社に入社。前橋支局を経て、東京経済部で流通・商社、金融庁、財務省、日銀、エネルギー・東京電力などを担当した。2014~18年には北米総局(ワシントン)で、米国経済や企業動向のほか、通商問題などオバマ、トランプ両政権の経済政策を取材した。