職場のトラブルどう防ぐ?

「有休の消化義務」年度末迫り頭抱える48歳管理部長

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 A郎さん(48)は従業員数約80人の衣料品製造卸会社の管理部長です。2019年4月に改正労働基準法が施行されて年5日の年次有給休暇の消化義務が会社に課されたため、積極的な有休消化を従業員に促しました。しかし、従業員間で取得への意欲に差があって消化率にバラツキがあり、対応に悩んでいます。

「有休取りづらい」と不満

 会社には正社員が中心の営業、企画、管理部門と、本社とは離れた場所にあるパートスタッフが中心の物流部門があります。従業員はいつでも有休を申請できますが、昨年度までは積極的な取得を促していませんでした。また会社の暗黙のルールとして、有休は自分か家族が病気の時や休まざるを得ない所用がある時に使うものとされていました。管理職には、積極的に有休を取る部下を好ましく思わない人もいました。

 正社員でも有休を積極的に取れない会社風土の中、物流部門のパートは勤続年数などから法律上最低限の有休…

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/