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あなたの会社にこんな「面倒な上司」はいませんか

舟木彩乃・産業心理コンサルタント・カウンセラー
 
 

 医療機器メーカーに勤務するAさん(30代男性)は営業部に所属しています。病院や大学の超多忙な医師や研究者を相手に商談する部署です。15人の部員は顧客の元に足しげく通い、丁寧にアフターフォローし、時には接待もして関係づくりをしています。

「ゴーサインがまだ」と契約をストップ

 営業部は社内でも活気がある部署で、部員は仕事にやりがいをもって働いています。しかし、9カ月前に経理部門からB部長が着任してからは、以前のような活気がなくなってしまいました。B部長は「どんどんチャレンジしていこう」と威勢よく部員に声を掛けるのですが、何かにつけて細かい規則にこだわる“融通が利かない”タイプでした。

 部員がコツコツと顧客との関係づくりをして大口契約のチャンスをつかんできても、「上から正式なゴーサインが下りていないのでもう少し先方に待ってもらおう」とストップをかけることが何回かありました。

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産業心理コンサルタント・カウンセラー

 筑波大学大学院博士課程修了(ヒューマン・ケア科学博士)。一般企業の人事部などを経て、現在メンタルシンクタンク(筑波大学発ベンチャー企業)副社長。金融庁職員のメンタルヘルス対策にも従事する。国家資格として公認心理師、精神保健福祉士、第1種衛生管理者、キャリアコンサルタントなど保有。著書に「『首尾一貫感覚』で心を強くする」(小学館新書)。