名家のルーツ

明治天皇に献上「あんぱんの木村屋總本店」の開発魂

森岡浩・姓氏研究家
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銀座木村屋の店舗=2020年1月15日、田中学撮影
銀座木村屋の店舗=2020年1月15日、田中学撮影

 「あんぱん」で有名な木村屋は、正式には「木村屋總本店」という。その名の通り木村家が創業して現在まで続いている。西洋からもたらされたパンと、小豆を用いた日本のあんこを結びつけた「あんぱん」を初めて作り、日本を代表する食品の一つになった。

 木村家のルーツは、59代宇多(うだ)天皇(867~931年)から分かれた宇多源氏の武士で、近江国木村の出と伝えられている。

 その後、常陸国に下向し、戦国時代は牛久城主岡見氏の重臣だった。その岡見氏が牛久城を追われると、下総国川原代村(茨城県龍ケ崎市川原代町)で帰農し、藤左衛門家と市兵衛家の2家に分かれた。藤左衛門家は江戸時代に代々、農民の年貢や諸役の割り振りなどをする割元(わりもと)名主を務めた。

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森岡浩

姓氏研究家

1961年、高知県生まれ。早稲田大学在学中に独学で姓氏研究を始める。文献調査やフィールドワーク、統計を用いた実証的手法を用いる。2017年4月からNHK「人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ!」に出演。著書、多数。