経済記者「一線リポート」

「ゴーン劇場」で見え隠れする仏政府との深い因縁

三沢耕平・毎日新聞経済部編集委員(前ロンドン特派員)
  • 文字
  • 印刷
フランスのマクロン大統領=日本の首相官邸で2019年6月26日、川田雅浩撮影
フランスのマクロン大統領=日本の首相官邸で2019年6月26日、川田雅浩撮影

 スパイ映画ばりに日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告がレバノンへ逃亡した。ゴーン前会長は会社法違反などの罪で起訴されている。謎の多い一連の「ゴーン劇場」を理解するうえで欠かせないのが、かねて日産とルノーの合併に意欲的だったマクロン大統領だ。1月8日の記者会見でもマクロン氏との深い因縁が浮かび上がってきた。

 日産とフランス自動車大手ルノー。1999年に倒産寸前だった日産をルノーが救済する形で提携して以降、国境を超えた自動車大手の連合は成功例と評された。ただ、日産が経営危機を脱すると、競争力に劣るルノーを日産の利益が支える「親子逆転」の構図が定着。ルノーが日産株43・4%を持つ一方、日産のルノーへの出資比率は15%にとどまり、利益を吸い上げられる格好の日産には、この資本関係に強い不満がある。

「日産・ルノーに大きなしこり」

 両社のトップを務めてきたゴーン前会長は会見の冒頭、2015年に起きた仏政府との「バトル」に言及した。この時の仏政府の動きが「一連の問題の発端だ」と言い切り…

この記事は有料記事です。

残り1390文字(全文1833文字)

三沢耕平

毎日新聞経済部編集委員(前ロンドン特派員)

1972年千葉県生まれ。明治大学法学部卒。98年毎日新聞社入社。松本、甲府支局を経て、2004年から経済部で財務省、日銀、財界などを取材。政治部にも在籍し、首相官邸、自民党などを担当した。16年10月から欧州総局特派員。19年10月から経済部編集委員。