藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

ウズベキスタン「サマルカンド」へ260キロ特急旅の朝

藻谷浩介・地域エコノミスト
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サマルカンドのティムール廟の前で記念撮影をする観光客(写真は筆者撮影)
サマルカンドのティムール廟の前で記念撮影をする観光客(写真は筆者撮影)

 2500年前から今日まで栄えてきたウズベキスタンの古都ブハラ。歴史的建造物と、見物客や住民の雑踏に満ちた旧市街を、4時間弱休みなく巡った後、午後3時半に待ち合わせていたタクシー運転手の案内で、今度は郊外の離宮に向かう。

 目的地は、市街の北4キロほど先にある、スィトライ・マヒ・ホサ宮殿。ロシア革命時までロシア帝国の保護国として存続していたブハラ・ハン国の、最後のハンが1911年に、欧風趣味も取り入れて建てた離宮だ。

 離宮の三つの建物は、中央アジア的な伝統の上に西洋趣味も交えて美しく内装され、同時期の明治時代に日本各地に建てられた洋館を連想させた。ハンが買い集めたのであろう陶器のつぼが並んでいたが、数多い中国製の中に、筆者が素人目で見てもすぐわかる伊万里焼の名品がいくつも交ざっていたのは印象的だった。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。