「この人、この土地」だから生み出せる一品

伝統農法で育む北陸・金沢「魂のれんこん」のうまみ

小高朋子・旅食ライター・カメラマン
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岡山農園の「魂のれんこん」=小高朋子撮影
岡山農園の「魂のれんこん」=小高朋子撮影

 金沢市の岡山農園で栽培される「魂のれんこん」はずっしりと重みがあり、断面はうすいクリーム色できめ細かく、穴は小さめで引き締まっている。農薬などを一切使わない自然栽培と、昔ながらの「くわ掘り」で収穫する同農園のレンコンの特徴だ。レンコンの部位によってシャキッとした歯ごたえや、もっちりした食感が楽しめる。

 岡山農園代表の岡山哲章さん(37)は、もともと輸入石材の販売に携わっていた。しかし、自分で一から作るものをお客に届ける商売をしたいと考え、子供のころから興味があった農業の世界へ2014年に飛び込んだ。現在は妻の由佳さん(37)と2人でレンコン生産だけで生計を立てている。

 岡山さんのこだわりの一つが、有機肥料や化学肥料、農薬を一切使わない「自然栽培」だ。農業を始めた時から「誰でも安心して食べられるものを作りたい」という思いがあったからだ。各地で自然栽培を実践する人たちに話を聞き、試行錯誤を繰り返している。

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小高朋子

旅食ライター・カメラマン

1982年、神奈川県生まれ。アパレル業界、映像製作会社を経て、フリーランスに。持続可能なモノづくりの可能性を求めて各地を巡り、地域の食文化、工芸品、産業などを取材し、写真、映像も用いてその魅力を紹介している。現在、農業者向けのビジネススクール(オンラインアグリビジネススクール)にかかわり、各地の農業現場の取材を担当。旅と、おいしい食べものと日本酒が何よりも好き。