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4年後に刷新「2階建てNISA」が生まれる深い事情

渡辺精一・経済プレミア編集部
 
 

2020年からの長期投資(5)

 2020年度の税制改正大綱で、少額投資非課税制度(NISA)について24年からの新しい枠組みが決まった。現在のつみたてNISAの期限を延長し、一般NISAは「2階建て」の新NISAに刷新する。本来、一本化を検討するはずが、結果的により複雑な2本立て制度に移行することになったわけだが、それには深い事情がある。

発端は“増税感”の解消

 14年にスタートしたNISAは、譲渡益・配当が非課税となる優遇制度だ。まず、その経緯から振り返ろう。

 最初にできたのは一般NISAだ。年120万円(当初は100万円)の投資枠が5年間あり、投資対象は現物株や投資信託など幅広い。

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経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。