経済記者「一線リポート」

スウェーデンは「マイナス金利解除」どうする日銀

大久保渉・毎日新聞経済部記者
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日銀の黒田東彦総裁は2%の物価目標を達成するまで金融緩和を続けるとの姿勢を崩さない=東京都中央区の日銀で2020年1月21日、高橋祐貴撮影
日銀の黒田東彦総裁は2%の物価目標を達成するまで金融緩和を続けるとの姿勢を崩さない=東京都中央区の日銀で2020年1月21日、高橋祐貴撮影

 スウェーデンの中央銀行であるリクスバンクが2019年12月、政策金利をマイナス0・25%から0%に引き上げ、約5年ぶりにマイナス金利を解除した。日銀など世界の主要な中央銀行と同じく「2%の物価目標」を掲げているが、足元の物価上昇率は1%台後半で、まだ到達していなかった。

 それにもかかわらず日銀や欧州中央銀行(ECB)に先駆け、スウェーデンがマイナス金利解除を急いだ背景には、異常な低金利政策の長期化がもたらす副作用への懸念があった。

 国際金融と欧州経済を専門とする東洋大学の川野祐司教授(43)によると、スウェーデンでは13年ごろから住宅価格が上昇していたが、物価目標達成のため、15年2月にマイナス金利政策を導入したことで価格高騰の勢いがさらに強まったという。

 マイナス金利導入をきっかけに銀行間の住宅ローン獲得競争が激化し、「返済期間100年」など常識外の商品も登場。返済能力の低い人が高額の…

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大久保渉

毎日新聞経済部記者

 1979年、ブラジル生まれ。2004年、京都大学総合人間学部卒、毎日新聞社入社。山形支局を経て09年から東京本社経済部。自動車などの民間企業、日銀、証券業界、金融庁、経済産業省、財務省を担当。15年から2年間は政治部で自民党などを担当した。19年5月から日銀、証券、金融庁を束ねる金融グループのキャップ。