藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

「サマルカンド」青色に染まるティムール帝国の街

藻谷浩介・地域エコノミスト
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三つのメドレセが向かい合うサマルカンドのレギスタン広場。ここが世界の中心だという意識をもって構成されている(写真は筆者撮影)
三つのメドレセが向かい合うサマルカンドのレギスタン広場。ここが世界の中心だという意識をもって構成されている(写真は筆者撮影)

 ウズベキスタンの古都サマルカンド。一代で帝国を築いた英雄ティムールの廟(びょう)を出た筆者は、レギスタン大通りを東に向かった。800メートルほど先に、この町を代表する、いやイスラム世界を代表すると言ってもいいのではないかとも思われるランドマーク「レギスタン広場」がある。

 レギスタンとは「砂地」という意味だそうなので、もともとは町はずれの荒れ地だったのだろう。チンギス・ハンの来襲で、東北方向のアフラシャブの丘の上にあったそれまでの町が灰燼(かいじん)に帰した後に、こちらが中心地となったのだという。青いタイルで装飾された三つの巨大なメドレセ(イスラム神学校)が、広場を囲んで向き合っている。実際にその場に立ってみると、写真では伝わらない雄大さにのまれた。

 三つのうち最古のものは、西側にあるウルグベク・メドレセで、ティムールの孫で学者として有名なウルグベクが、1420年に建てたそうだ。その後216年を経た1636年、ウズベク人の建てたブハラ・ハン国の統治下、広場を挟んだ東側に正対して、シェルドル・メドレセが建てられた。さらに1660年、両者の間の北側に調和をとるようにして、ティラカリ・メドレセが建てられたのである。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外109カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。