
食を通じた国民の健康維持の指針である「日本人の食事摂取基準」報告書の2020年版が2019年12月、厚生労働省から公表された。健康の維持増進のためエネルギーや栄養素の望ましい摂取目標量を示すもので、5年ごとに改定されている。だが、最近注目されているビタミンDについて、その有用性は伝わってこないことが気になった。ここではビタミンDの重要性にふれてみたい。
不足すれば糖尿病・うつ発症も
ここ数年、学会などを取材していて、ビタミン類の中ではビタミンDがもっとも注目されていると感じていた。不足するとがんや骨粗しょう症の発症増加につながるだけでなく、自己免疫疾患や糖尿病、うつの発症にもかかわるとの研究報告を目にする機会が多かったからだ。
そういう観点から「日本人の食事摂取基準」報告書を読んでみたが…
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小島正美
「食生活ジャーナリストの会」代表
1951年愛知県犬山市生まれ。愛知県立大学卒業後、毎日新聞社入社。松本支局などを経て、東京本社・生活報道部で主に食の安全、健康・医療問題を担当。「食」をテーマとして活動するジャーナリスト集団「食生活ジャーナリストの会」代表。著書多数。