藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

カザフスタン最大都市「アルマトイ」経済発展の裏側

藻谷浩介・地域エコノミスト
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アルマトイ市街を見下ろすコクトべの丘。中央アジアというよりは欧州のよう(写真は筆者撮影)
アルマトイ市街を見下ろすコクトべの丘。中央アジアというよりは欧州のよう(写真は筆者撮影)

 乾燥地帯の中央アジアも、北に行くほど寒冷になる。カザフスタンの首都ヌルスルタン(旧アスタナ)は、世界の首都の中で、モンゴルのウランバートルに次いで寒いのだという。そのカザフスタン最大の都市で、1998年まで首都だったアルマトイを訪れた。そこで見た、世界最北のイスラム国家の虚と実。

 2019年4月。ユーラシア大陸の十字路・ウズベキスタンのサマルカンドをたった筆者は、高速特急で首都タシケントに戻り、そこからエア・アスタナ(カザフスタンのフラッグキャリア)のエアバス320機で、アルマトイに飛んだ。陸路だと800キロを十数時間かかるが、空路だと1時間半かからない。あかぬけた内装や接客は、カザフスタンが中央アジアの経済先進地であることを物語っていた。

 隣の席には、26歳の青年実業家(カザフ人の貿易商)が乗っていた。英語が堪能な彼いわく、「ウズベキスタンは、国民は純良だが、政治は旧態依然。政府高官たちが、自己利益のために旧ソ連式の運営を続けている」。「中国人は自己中心的に過ぎる。ドイツや日本の真面目な国民性が好き」とも語った。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。