
日本は経済成長が低迷している。雇用者報酬も横ばい傾向で、日本人の所得は伸びを欠く。一方で、2000年代後半から日本人の“主観的な生活レベル”は向上しているという。統計指標の推移と合わない生活実感について、野村総合研究所の上級研究員、森健(たけし)氏が1月22日、日本記者クラブで語った。読み解く鍵は「デジタル」と「消費者余剰」だという。
生活レベル「上・中の上」が増加
日本経済は統計指標で見ると、国内総生産(GDP)成長率がマイナスだった08~09年度のリーマン・ショック期を除き「停滞」が続いている。森氏は「この20年ほど、成長率は平均1%程度の低水準で推移し、雇用者報酬もこの数年は少し上昇基調にあるが、おおむね横ばいが続いている」と述べた。
だが、野村総研が実施する「生活者1万人アンケー…
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