藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

トルコ系東端の国「キルギス」緑多い首都ビシケク

藻谷浩介・地域エコノミスト
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ビシケクの都心に建つマナス王の像と国旗(写真は筆者撮影)
ビシケクの都心に建つマナス王の像と国旗(写真は筆者撮影)

 天山山脈の西側にあって、唐代に玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)も訪れたキルギスの地は、旧ソ連が鉄のカーテンの向こうにあった時代には、シルクロードにあこがれる日本人にとって行くに行けない憧憬(しょうけい)の地だった。その後、中央アジアで最も早く日本人がビザなしで行けるようになったのに情報は乏しい。実情はどのようなものなのか?

 中央アジア5カ国で最も東にあるキルギスの首都ビシケクを訪れたのは2017年6月。空港からビシケク都心までは、標高800メートルほどの草原地帯だった。ポプラ並木が続き、まるでウィーンあたりの中欧にでも来たような景色だ。

 市街東外れのホテルに40分ほどで着くと、フロントには、日本にいそうな顔立ちの若い男性と、コーカサス系白人の目の大きな若い女性がいた。彼女に「アルメニア人?」と聞くと、ちょっとむすっとして、「アゼルバイジャン人よ」と言う。キルギスはカザフスタン同様に世俗派ムスリム国で、女性もかぶり物をしていないので、彼女がトルコ系のムスリム国家出身とはわからなかった。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。