職場のストレス・マネジメント術

入社3年目「自称できる系社員」困った行動の教育法

舟木彩乃・心理カウンセラー
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 田口さん(仮名、男性20代後半)は、コンサルティング会社に勤務する入社3年目の社員です。3カ月前に総務部から念願の法人コンサルティング部に異動しました。

 希望がかない、田口さんは「ようやく自分の実力を発揮できるときがきた」と、「成功の極意」などとうたう勉強会や自己啓発系の研修などに通い始めました。上司のA部長(男性40代)は、当初は勉強熱心だと思って感心していましたが、徐々に田口さんの言動に違和感を覚えるようになりました。

 A部長が田口さんに、取引先へ提出するリポートに誤字脱字がないかチェックをするよう指示したところ、田口さんはほとんど確認した様子もなく数分で「問題ない」と返事をしてきました。A部長が、丁寧に作業する必要性を説き、やり直しを命じると、「この手の作業はいずれAI(人工知能)に取って代わられますけどね」などと不満を言いながらしぶしぶ作業を続けます。

 逆に何時間もかけて念入りにチェックしていたかと思うと、ベテランの社員が提言している内容に「新たな視点がほしい」などと、上から目線で勝手に赤を入れていました。思い余って注意すると、「もっと自分の能力を生かせる仕事がしたいんですよね」と言い、「これでも赤入れを遠慮したんですよ」と得意げに自分の考えを説明していました。

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舟木彩乃

心理カウンセラー

 筑波大学大学院博士課程修了(ヒューマン・ケア科学博士)。カウンセラーとして8000人以上、コンサルタントとして100社を超える企業の相談に対応。一般企業の人事部などを経て、現在メンタルシンクタンク(筑波大学発ベンチャー企業)副社長。国家資格として公認心理師、精神保健福祉士、第1種衛生管理者、キャリアコンサルタントなど保有。著書に「『首尾一貫感覚』で心を強くする」(小学館新書)。