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文壇に今も存在する?「女性への差別と偏見」とは

山田道子・元サンデー毎日編集長
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「女流作家」という言葉が象徴するように、文学の世界も男性社会のようだ
「女流作家」という言葉が象徴するように、文学の世界も男性社会のようだ

 「これまで日本文学では書かれたことのない活動的で聡明(そうめい)な女性を描きたかった」。ベストセラー小説「マチネの終わりに」が昨年映画化されるに当たり開かれたイベントで、著者の平野啓一郎さんがヒロインの造形についてこう語ったという(サンデー毎日2019年10月27日号)。

 この小説のヒロイン洋子は、世界的に有名な映画監督の娘であり、数カ国語を話し、海外通信社の記者として戦地取材をする一方、40歳を過ぎて結婚や出産に悩むという設定だ。

 そんな女性を描くのは平野さんにとっては初めてかもしれないけれど、「活動的で聡明な女性」はこれまでも多々描かれていると思うので、ひっかかった。しかも洋子みたいな女性は現実にいるので、私にはピンとこなかったのかも…

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山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。