
蒸気機関車への憧れ(2)
蒸気機関車の魅力は「生き物のような躍動感」と「機械という無機物でありながら見る者に『生命』を感じさせるところ」にあると思います。この魅力を積極的に追求するようになったのは、静岡県に住み始めた2001年からでした。蒸気機関車を動態保存(動かせる状態にしておくこと)し、静岡県中部の島田市と川根本町を結ぶ大井川鉄道まで、自宅から1時間半の近さになったからです。
大井川鉄道は4両もの蒸気機関車を保有し、冬季に一部運休日があるものの、一年を通してほぼ毎日蒸気機関車を運行しています。蒸気機関車を運行している鉄道はあまたあれど、平日も走らせるところは他にはありません。
大井川鉄道が動態保存に先べん
1975年12月に現役を引退した蒸気機関車を日本で最初に動態保存し、運行したのも大井川鉄道でした。76年7月のことです。その準備のため、大井川鉄道が国鉄から引退したC11型蒸…
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金盛正樹
鉄道カメラマン
1967年神戸市生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒業後、商業写真プロダクション「ササキスタジオ」に7年間在籍。1996年からフリー。鉄道専門誌や一般誌に写真を発表している。「鉄道と名のつくものは、実物から模型、おもちゃまで何でも撮影する」がモットー。日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。鉄道と同じくらいクルマも好きで、愛車はスズキジムニー。機械式カメラ、日本史、日本刀など趣味多数。
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