高齢化時代の相続税対策

長男と2人で賃貸経営「家族でもめない」土地の託し方

広田龍介・税理士
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 都心から電車で30分の東京近郊で不動産賃貸業を営むFさん(82)。そろそろ遺言書を作っておいたほうがいいのかなと考え始めている。

 元々家業は農家だったが、最寄り駅から徒歩10分という立地に恵まれており、40年ほど前、未利用農地を宅地に転用してアパートや戸建ての貸家を建てた。当時は親の目もあり、賃貸経営は農業の片手間でやっていたが、親が亡くなり相続で土地を引き継ぐと、本格的に不動産業に転業した。それが20年ほど前のことだ。

 実は、うまく転業することができ、その後も事業を拡大できたのは、不動産関係の仕事をしていた長男Tさんの力が大きかった。Tさんは勤務していた会社を辞め、不動産管理会社を設立すると、アパートや貸家をその法人所有とした。さらに、銀行との融資交渉を進め、物件のデザインや設計については専門家と細かく調整するなど、経営手腕を発揮してくれた。親子でいろいろ議論しながら「二人三脚」で賃貸経営に取り組んだ20年だっ…

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広田龍介

税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。