ニッポン金融ウラの裏

「認知症高齢者のお金の管理」金融機関は何をすべきか

浪川攻・金融ジャーナリスト
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 高齢化社会の進展に金融業界がどう対応するか――。こうした問題が注目を集めつつある。金融担当相の諮問機関である「金融審議会」の作業部会で2月13日、認知能力が低下した高齢者のお金の管理や財産処分に、金融機関がどう向き合うべきかといった観点で討議が行われた。そこでの議論を詳しく報告したい。

 議論の場は金融審議会の作業部会「市場ワーキング・グループ」の会合である。この作業部会ではこれまで、金融庁が金融業界に問いかけてきた「顧客本位の業務運営」を巡って、広範な議論が繰り広げられてきた。作業部会が新たに議論したのが「高齢者など認知・判断能力の低下した顧客への対応」である。

 高齢化社会が進むなか、政府の統計では家計の金融資産の3分の2を60歳以上の世帯が保有している。一方、認知症を発症した人が65歳以上の高齢者の7分の1にあたる約462万人に達している。そうしたなかで、認知能力が低下した高齢者が、日常生活で使うお金の管理や入院費などの支払いが難しくなる事態に、金融機関がどう対応すべきか、議論が交わされた。

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。