けいざい多面鏡

東芝子会社など9社関与の架空取引「損失」はどこに?

今沢真・経済プレミア編集部
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架空取引の詳細について公表した日鉄ソリューションズの記者会見=東京都中央区で2月6日、今沢真撮影
架空取引の詳細について公表した日鉄ソリューションズの記者会見=東京都中央区で2月6日、今沢真撮影

 東芝の子会社など9社の関与が明らかになった架空取引をめぐり、東芝など4社がこれまでに調査報告書を公表した。不正発覚後、清算できなくなった取引で資金が回収困難になるなど、一部の企業に損失が生じる見通しだ。どの企業にどの程度の損失が生じる可能性があるかを探った。

 今回明らかになった架空取引は、パソコンやコピー機、ソフトウエアといったIT関連商品を仕入れて販売したように装ったものだ。取り扱ったようにみせかけた商品は存在せず、最終的な販売先も架空のものだった。企業間の代金の支払いは行われていたが、実際には複数の企業の間で資金がぐるぐる回っていただけ。こうした不正は「循環取引」と呼ばれている。

 不正を主導していたのは東証1部上場のITサービス企業、ネットワンシステムズ社だ。架空取引は数十件にのぼる。3社が関わる取引、4社が関わる取引などさまざまな形態があり、全体では9社が関与していた。不正は2014年から始まり、19年11月に国税当局の税務調査で発覚するまで繰り返し続けられていた。

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今沢真

経済プレミア編集部

1959年東京都生まれ。早稲田大法卒。83年毎日新聞社に入社。静岡支局、東京本社整理本部を経て89年経済部。税・財政や金融政策を担当、銀行、メーカー、流通業を取材する。2013年から論説委員として毎日新聞の社説を執筆。15年6月から経済プレミア創刊編集長、19年6月から同編集部。16年「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)を出版。城西大非常勤講師のほか、日大経済学部などで教壇に立つ。