経済記者「一線リポート」

“不気味な円安”で脳裏よぎった「日本売り」の悪夢

大久保渉・毎日新聞経済部記者
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新型コロナウイルスの影響で、世界的に下落した株価を示すモニター。円相場だけでなく、株価も不安定な動きを見せる=東京・八重洲で2020年2月25日、小川昌宏撮影
新型コロナウイルスの影響で、世界的に下落した株価を示すモニター。円相場だけでなく、株価も不安定な動きを見せる=東京・八重洲で2020年2月25日、小川昌宏撮影

 「まさか、『日本売り』じゃないだろうな?」。2020年2月20日、円相場の値動きをリアルタイムで示す電光掲示板で急激に円安・ドル高が進んでいるのを見て、背筋にゾクゾクッと冷たいものが走った。

 前日まで1ドル=110円前後で安定していた円相場は、20日午前に111円台前半と1円程度下落。円売りの流れは続き、同日夜(日本時間)の欧米市場で約10カ月ぶりに112円台をつけた。

 最近の円相場は値動きの幅が小さく、わずか1日で2円も円安・ドル高が進むのは極めて異例だ。しかも世界経済は中国発の新型コロナウイルスの感染拡大で先行き懸念が強まっている。外国為替市場のセオリーに従えば「リスク回避の円買い」が進むはずだった…

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大久保渉

毎日新聞経済部記者

 1979年、ブラジル生まれ。2004年、京都大学総合人間学部卒、毎日新聞社入社。山形支局を経て09年から東京本社経済部。自動車などの民間企業、日銀、証券業界、金融庁、経済産業省、財務省を担当。15年から2年間は政治部で自民党などを担当した。19年5月から日銀、証券、金融庁を束ねる金融グループのキャップ。