ベストセラーを歩く

「21 Lessons」が問う“幻滅・雇用・戦争・神”そして

重里徹也・文芸評論家、聖徳大教授
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 私たちは激しく動いている状況を生きている。その実感は多くの人が持っているだろう。では、せんじ詰めれば、どのような時代なのか。

 そんな疑問に答えて、ベストセラーになっているのがユヴァル・ノア・ハラリの「21 Lessons」(柴田裕之訳、河出書房新社)である。副題は「21世紀の人類のための21の思考」。タイトル通り、「幻滅」「雇用」「自由」「平等」「戦争」「神」「教育」などの題が付された21章から成り、それぞれのテーマで現代を分析している。

 著者のハラリは1976年、ハイファ(イスラエル)生まれ。オックスフォード大学で中世史や軍事史を専攻し、現在はエルサレムの大学で歴史学を教えている。ヒトが地球の支配者となる過程を描いた「サピエンス全史」、人類の未来を考察した「ホモ・デウス」が世界的なベストセラーになった。

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重里徹也

文芸評論家、聖徳大教授

1957年、大阪市生まれ。大阪外国語大(現・大阪大外国語学部)ロシア語学科卒。82年、毎日新聞に入社。東京本社学芸部長、論説委員などを歴任。2015年春から聖徳大教授。著書に「文学館への旅」(毎日新聞社)、共著に「村上春樹で世界を読む」(祥伝社) などがある。