地域活性化の挑戦者たち

絶滅危機の「鷹の爪」を守る堺市の和風香辛料専門店

櫻田弘文・クエストリー代表取締役
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やまつ辻田が取り扱う純粋種の鷹の爪=筆者提供
やまつ辻田が取り扱う純粋種の鷹の爪=筆者提供

 堺市で1902(明治35)年に創業した、和風香辛料の製造販売会社「やまつ辻田」は、絶滅の危機にある国産の唐辛子や鷹の爪(たかのつめ)を原料とした七味唐辛子や一味唐辛子などの製品作りにこだわっている。同社4代目の辻田浩之さん(57)は、栽培農家と連携して鷹の爪など貴重な品種を残すために地道な努力を続けている。

 「鷹の爪」は、赤唐辛子を総称する言葉として使われることがあるが、本来は実が上向きに一つずつなる小ぶりな品種の名で、数百種ある唐辛子の中の一つだ。現在、国内で販売される“鷹の爪”は、外国産の赤唐辛子か、国内産の別の品種などだ。やまつ辻田の商品以外で純粋種の「鷹の爪」の流通は確認されていない。同社が生産をやめれば、純粋種の鷹の爪は絶滅すると言われている。

 同社がある堺市中区福田は、60年代中ごろまでは秋になると一帯が真っ赤に染まるほど鷹の爪を栽培する農家が多かったという。しかし、鷹の爪は熟す時期が不ぞろいで摘むのに手間がかかる。多くの農家が徐々に栽培をやめていった。そうした状況に危機感を持った同社は、農家に鷹の爪の栽培を委託してきた。

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櫻田弘文

クエストリー代表取締役

1955年山梨県生まれ。日本大学卒業後、78年に販売促進の企画・制作会社に入社。2001年、クエストリーを設立して独立。中小企業経営者向けの「クエストリー・ブランディングクラブ」を主宰する他、数多くの専門店や飲食店のブランディングを実践的に指導している。