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新型コロナ「自粛不況」を回避する“2段階政策”とは

熊野英生・第一生命経済研究所 首席エコノミスト
新型コロナウイルスの感染拡大の影響でいつもに比べ人通りの少ない銀座の歩行者天国=東京都中央区で2020年2月29日、喜屋武真之介撮影
新型コロナウイルスの感染拡大の影響でいつもに比べ人通りの少ない銀座の歩行者天国=東京都中央区で2020年2月29日、喜屋武真之介撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大が経済活動を直撃している。イベントや集合の自粛、小中高校の休校など異例の決定は、消費を中心に需要を急減させている。

 3月10日、政府は新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策の第2弾を発表。中小企業などへの資金繰りに万全を期すため、総額1.6兆円規模の金融措置を講ずることなどが盛り込まれた。現時点の対策としては一定の評価はできる。

 各国の感染者数の推移をみると、韓国、イタリア、イランの3カ国は感染者数が2月末から急増している。原因は集団感染を許したからだ。日本は、集団感染が起きたクルーズ船を除くと、3カ国と違って、それほど感染者数は増えていない。

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第一生命経済研究所 首席エコノミスト

1967年山口県生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。90年、日本銀行入行。調査統計局などを経て、2000年、第一生命経済研究所入社。11年4月から現職。専門は金融政策、財政政策、金融市場、経済統計。