
新型コロナウイルスの流行で、2020年夏の東京オリンピック・パラリンピックをロンドンで代替開催してはどうか――という提案が、英国内の一部であった。でも、それはインフラ面から現実に無理だと思う。2012年夏のロンドン五輪から今年で8年。開催地だった東ロンドンを訪ね、私は確信を深めた。
そこには、五輪を契機に生まれ変わった街があり、人々の暮らしがあった。新たな産業誘致に向けた工事も進行中で、街が“五輪のその先”を見据えているのは明らかだった。
ロンドン中心部から地下鉄で約20分の東ロンドン。私が訪ねたきっかけは、5月投開票のロンドン市長選の国政与党・保守党の候補者、ショーン・ベイリー氏が2月19日、ツイッターへ書き込んだ内容だ。
「ロンドンにはインフラと経験がある」
「ロンドンは2020年のオリンピックを開催できる。私たちにはインフラと経験がある。新型コロナウイルスの流行によって、世界は私たちを必要とする…
この記事は有料記事です。
残り1385文字(全文1791文字)
投稿にはログインが必要です。
横山三加子
毎日新聞欧州総局特派員(ロンドン)
1981年、埼玉県生まれ。法政大学社会学部卒。2004年、毎日新聞社に入社。岡山支局、大阪本社経済部を経て13年から東京本社経済部。電機・通信業界、経済産業省や財務省、財界などを担当。19年10月から現職。