イマドキ若者観察

リスク嫌う若者がなぜか好む「行き当たりばったり旅」

藤田結子・明治大商学部教授
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香港のセブンイレブンでビールを楽しむ学生たち。写真を撮ってインスタグラムで共有した
香港のセブンイレブンでビールを楽しむ学生たち。写真を撮ってインスタグラムで共有した

 現代の若者は、堅実でリスクを回避し、コスパを重視するといわれます。大学生には、遊びや外食の際、インスタグラムや食べログなどのアプリで前もって写真やレビューをチェックし、失敗しないよう行動する傾向が見られます。その一方で、旅行に関しては、あえて情報収集しない「行き当たりばったり」な旅を好みます。なぜなのでしょうか。

旅先の情報収集せずに出発

 女子大学生の佐藤さん(仮名)は、友人と静岡県の温泉地・熱海へ旅行に出かけました。

 「そういえばさー、熱海って何があるの?」と、スマホのアプリで「熱海 観光」と検索。すると、「熱海のおしゃれカフェ」という記事がたくさんヒットしました。「めっちゃいいじゃん。チェックアウトしたら行こう」と話が進みます。

 これは出発後の会話です。中高年が旅行に行く場合、見るべき観光名所、行くべき店などをある程度、事前にチェックし、計画を立てることが多いでしょう。しかし、この若者た…

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藤田結子

明治大商学部教授

東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。