ニッポン金融ウラの裏

株価暴落で「日経平均リンク債」に損失発生の大リスク

浪川攻・金融ジャーナリスト
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日経平均株価などを示すモニター=東京・八重洲で2020年3月17日午前9時29分、小川昌宏撮影
日経平均株価などを示すモニター=東京・八重洲で2020年3月17日午前9時29分、小川昌宏撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大を背景にして、東京市場、ニューヨーク市場をはじめ世界的な株価暴落が続いている。米市場の下落率は世界経済を大混乱に陥れた2008年のリーマン・ショック時を上回り、パニック的な売りに歯止めがかかっていない。

 そうしたなかで、ハイリスク・ハイリターンの投資商品に大きな損失が発生する可能性が指摘されている。なかでも日経平均株価との連動性を持つ「日経平均リンク債」と呼ばれる商品には大きなリスクがある。株価暴落のなかで深刻化する現状を報告する。

 この「日経平均リンク債」は、日経平均株価の動きに連動して償還金額が変動する商品だ。商品ごとに内容は少しずつ異なるが、大まかに言えば、金利がかなり高い半面、日経平均が購入時より大きく下落すると償還金額が減り、元本が大幅に毀損(きそん)してしまう。

 償還期間や金利が定められているのは一般の債券と同じだが、加えて「早期償還条項」「ノックイン条項」という独特の条件が設定されている。そして多くの場合、3カ月ごとに判定日が設けられている。日経平均株価が値上がりし、事前に定めた「早期償還水準」を判定日に上回っていると元本が償還され、利息も支払われる。

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。