
「肥育ホルモン剤を使った恐怖の米国産牛肉がハンバーガーや牛丼などに使われている」――。そんなおどろおどろしい見出しの記事が週刊誌などのメディアにときどき登場する。だが、中身をみると、読者を誤解させて不安をかき立てるようなものがほとんどだ。科学的に正確な情報を知って惑わされないようにしたい。
読者の不安を誘う記事
ごく最近では週刊誌「女性セブン」が記事にした。今年2月20日号の見出しは「食べてはいけない恐怖の『アメリカ産牛肉』」、続く2月27日号は「あなたも知らずに食べている 恐怖の『アメリカ産牛肉』はあのハンバーガー、牛丼、シチューにも!」だった。
間違いの多い内容だが、記事の骨子を筆者が要約すると以下のようになる。
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小島正美
「食生活ジャーナリストの会」代表
1951年愛知県犬山市生まれ。愛知県立大学卒業後、毎日新聞社入社。松本支局などを経て、東京本社・生活報道部で主に食の安全、健康・医療問題を担当。「食」をテーマとして活動するジャーナリスト集団「食生活ジャーナリストの会」代表。著書多数。