海外特派員リポート

中国が経験した「SARSの教訓」新型コロナに生かせるか

赤間清広・毎日新聞中国総局特派員(北京)
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北京市内のショッピングモール。客はほとんどおらず、LED画面にはマスク着用を呼びかける映像が映っていた=北京市内で2020年1月31日、赤間清広撮影
北京市内のショッピングモール。客はほとんどおらず、LED画面にはマスク着用を呼びかける映像が映っていた=北京市内で2020年1月31日、赤間清広撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。世界保健機関(WHO)は世界的な大流行を意味する「パンデミック」を表明するなど混乱が世界に広がっている。大規模感染は市民生活をどう変えていくのか。参考になるのが2003年に中国を中心に大流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)だ。当時の経験を北京在住者の証言をもとに振り返ってみよう。

 手元に一冊の冊子がある。タイトルは「SARS期間中における活動の記録」。SARS流行を受け、日中経済協会や在中国日本商工会議所、北京日本人会など北京駐在・在住の日本人で組織した対策チームが始めた邦人向けメールマガジンの内容をまとめたものだ。

 メルマガ第1号の発信は03年5月6日。対策チームのメンバーは「4月初旬までSARSのニュースはどこか人ごとだった。しかし、4月中旬に北京で感染者数がはねあがると、駐在員からの問い合わせが殺到し大混乱になった」と、発行の経緯を説明する。

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赤間清広

毎日新聞中国総局特派員(北京)

1974年、宮城県生まれ。宮城県の地元紙記者を経て2004年に毎日新聞社に入社。気仙沼通信部、仙台支局を経て06年から東京本社経済部。経済部では財務省、日銀、財界などを担当した。16年4月から現職。中国経済の動きを追いかけている。