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電気利用者への裏切り!?関電“報酬削減のウラ補てん”

今沢真・経済プレミア編集部
第三者委員会の報告を受けて記者会見する関西電力の岩根茂樹前社長(奥)と森本孝新社長=大阪市北区で2020年3月14日、木葉健二撮影
第三者委員会の報告を受けて記者会見する関西電力の岩根茂樹前社長(奥)と森本孝新社長=大阪市北区で2020年3月14日、木葉健二撮影

金品受領問題の最終報告(3)

 関西電力幹部の金品受領をめぐる第三者委員会の最終報告書で、金品受領とは別の不正が暴露された。過去の電気料金値上げと密接にからむ不正であり、関西電力に電気料金を払っているすべての利用者への「裏切り行為」とも言える内容だ。詳しく報告する。

 まず不正の概要を説明する。関西電力は2011年の福島第1原発事故後の原発停止で業績が悪化した。11年度から4年連続で大幅な赤字を出し、13年と15年の2回、電気料金を値上げした。その際、利用者に理解を求めるため役員報酬をカットしたが、後でこっそり補てんしていたというのだ。

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経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀・財研キャップ、副部長を経て論説委員(財政担当)。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。22年4月に再び編集長に。同9月から編集部総括。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。