人生100年時代のライフ&マネー

退職金が元手「定年後いきなり投資デビュー」の危うさ

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 日本人の「現預金好き」は有名だ。日銀「資金循環統計」によると、家計金融資産1835兆円(2019年3月)のうち現預金は53%を占め、「株式+投資信託」のリスク資産は14%と少ない。米国が現預金13%、リスク資産46%であるのと対照的だ。ユーロ圏でも現預金34%に対してリスク資産は28%ある。

 1996年の金融制度改革「金融ビッグバン」以来、政府は個人マネーを証券市場に取り込もうと「貯蓄から投資へ」のスローガンを掲げてきた。だが、ほとんど浸透していない。

 ところが、これを年代別に見ると違う風景が現れる。高齢者ほど投資をし、リスク資産を多く抱える傾向があるのだ。

 14年の総務省「全国消費実態調査」で株式・投信など有価証券を保有する世帯の割合をみよう。世帯主が30~40代は10%台にとどまるが、60代は29%、70代は28%と高まる傾向がある。保有資産額は高齢者のほうが大きいため、投資実額では、40代は平均78万円だが、60代は同307万円、70代は同336万円もある。

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。