
新型コロナウイルス感染の終息が見通せない中、企業は大勢の人が集まる株主総会への対応に苦慮している。そこで、インターネットによる参加も可能な「ハイブリッド型バーチャル株主総会」が脚光を浴びている。これを機に総会のネット化が進むのだろうか。そもそもネット参加のメリットはどこにあるのか。
「経済産業省はハイブリッド型総会の実施ガイドを策定した。人が密集することを避ける意味で感染症には有効だと思う。各社で開催方法を検討してほしい」
梶山弘志経産相は3月19日の閣議後の記者会見で、感染拡大の防止に向け、企業に株主総会へのネット参加を検討するよう促した。
株主への土産の手渡しも中止
12月期決算の日本たばこ産業は3月19日に開催した株主総会で、受付にサーモグラフィーを設置し、株主の体温が高ければ入場を拒否する異例の措置を取った。さらに例年より1時間ほど開催時間を短縮した。
このほか、高齢者や基礎疾患が…
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土屋渓
毎日新聞経済部記者
1977年、ドバイ生まれ。2002年早稲田大法学部卒、毎日新聞社入社。水戸 支局、東京本社学芸部などを経て14年から経済部。証券業界、日銀を担当。16~17年 は大阪本社経済部で電機メーカーなどを取材。18年に東京経済部に戻り、経産省など を担当。20年4月から製造業、商社・流通、重工業、財界などを取材するグループの キャップ。